1.和名 イシイルカ
2.科目 鯨目ハクジラ亜目ネズミイルカ科に属する海生哺乳動物
3.学名
Phocoenoides dalli
4.地方名
 
5.アイヌ語名  
6.英名  
7.ロシア名  
8形態・生態
特徴: イシイルカ 体長2m前後。側面から見ると、たいへんずんぐりした体型のイルカで、黒と白の明瞭な 色分けが際だっている。背びれの上部、尾びれの上側の縁に白色の部分がある。
体側面 の白班が胸びれまで達しているものを「リクゼンイルカ型」といい、そうでないものを 「イシイルカ型」という。根室海峡で観察されるものは、ほとんど「イシイルカ型」で ある。

「クチバシ」はない。特に大人のオスでは、尾びれ付け根に「キール」と呼ばれる皮膚 の隆起が顕著で、潜水時に独特な姿勢を見せる。
必要があると、高速度で水面をかすめるように泳ぎ、背後から見ると「V」字型の、遠 く からでもはっきりとわかる特徴的な水しぶきを上げる。

生息地: 北太平洋固有の種で、北部北太平洋に分布している。

その他: 「イルカ」または「小型ハクジラ」肉として加工、食用に利用されている。

根室海峡の日本側では全域で観察されているが、どちらかといえば水深の深い域にとど まる傾向が強い。最近の同海峡では、少なくとも3-9月まで観察例があるが、出現の多 い 時期は5月下旬-8月上旬であろう。数頭から十数頭の群れで観察されることが多く、時 に は船首波に乗って遊泳することがある。

小型の捕獲船による、電気モリで突き取る「突きん棒漁」の対象種として、現在も知床 半島の北西岸で操業が行われている。根室海峡では、群集性のさまざまな小魚やイカを 捕食しているらしい。
9.利用

10.メッセージ
たいへん美しいイルカで、船首波に乗った時など、手の届きそうな眼下の水中で見せる 優雅な泳ぎっぷりには惚れぼれすること請け合いです。
イルカに、船首波に乗って、危 害を与えられる船と、そうでない船との識別をしてもらえたら、もっと観察機会が増え そうです。
11.写真・図版
イシイルカ
左図:イシイルカのイシイルカ型、右図:イシイルカのリクゼンイルカ型
上写真:水しぶきを上げるイシイルカ(著作: 佐藤晴子)
12.参考図書 アンソニー・マーティン(編著)、粕谷俊雄(監訳). 1991.「クジラ・イルカ大図鑑」.平凡社.
笠松不二男、宮下富夫. 1991. 「鯨とイルカのフィールドガイド」. 東京大学出版会.
加藤秀弘(監修). 1996. 「わくわくウオッチング図鑑9 クジラ・イルカ」. 学習研究社.
佐藤晴子. 1998.「最近、根室海峡に出現する鯨類について」(未発表資料)
13.著者 筆者名: 佐藤晴子
連絡先: 東京都千代田区九段南2-5-9-502
電子メール: DZF14072@nifty.ne.jp
執筆日: 1999/10/10.

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