1.和名 | ミズダコ |
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2.科目 | |
3.学名 | |
4.地方名 | |
5.アイヌ語名 | |
6.英名 | |
7.ロシア名 | |
8形態・生態 | |
北海道の近海で獲れるタコは大部分がミズダコで、次いでヤナギダコである。平成6
年から10年の5年間の平均漁獲量はそれぞれ18,217t、5,591tである。 ミズダコは名前 のように水っぽく、煮ダコにしても締まりがなく、味の点では本州以南で獲れるマダコ に及ばない。それでもオスよりメスが締まりが良く、ましな味なので漁師はミズダコの メスを「マダコ」と呼んでいるので、ややこしい。また、オスは身が柔らかいので「オ オダコ」・「シオダコ」・「ダブダコ」と呼び区別している。ヤナギダコはミズダコより はるかに小さいので「コダコ」と呼んでいる。 タコ漁業の最盛期は、秋から冬にかけて成熟したオス・メスが交尾のため水深70m 以浅の浅海域に移動する時期で、これを空釣り・いさり曳き・タコ箱などで漁獲する。 分布・生態 ミズダコは寒海性で、北海道から北洋海域、さらにアラスカから北米の沿岸にまで広 く分布している。タコ類で最も大きく、全長3m、体重30kgに達する。 成長は早く、 1歳が40g、2歳が1,700g、3歳が14,000g、4歳が31,000gとなる。 交接は産卵の前年の11〜翌1月で、6〜7月に産卵する。タコの卵は俗に「海藤花カ イトウゲ」と呼ばれ、その形が藤の花に大変良く似ている。オスは交接後深みに移って数 ヶ月後に死に絶えるが、メスは浅海の産卵場に移動し産卵を行う。卵が孵化するまでの 6〜7月(積算温度2,300〜2,600℃)の期間、メスは餌も摂らずに卵を掃除したり、 きれいな水を吹きかけたり、外敵から守ったりして世話をし、卵の孵化が始まると死に 絶える。成熟は満3で、孕卵数は3〜6万粒である。 オスとメスの区別は、タコの目側 をスタートに右の3本目の腕(足とは呼ばない)先に吸盤がなく精溝と呼ぶ幅1〜2mmの 白い筋があるのがオスである。 |
9.利用 | |
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資源状況 全道的に、その産卵生態から比較的安定している。標津町での漁獲量は平成8・9・10 年がそれぞれ139t・167t・226tである。最近アフリカからの輸入が増え昭和61年、平成 9・10年にはそれぞれ101,000t、79,000t・77,300tに昇っている。 ミズダコは2歳(1.7kg)から3歳(14kg)にかけての成長が早いことから、資源を 有効に利用するためにも、3kg未満の小型のタコの漁獲制限に取り組みが進められて いる。 利用・加工 日本人のタコ好きは世界でも有名である。しかし、欧米では「悪魔の魚」として嫌わ れている。正月に酢ダコが使われるのは、タコの足が8本あり、末広がりで縁起がよい からだ。タコはこの酢ダコの他、煮タコ、タコシャブ、タコ塩辛、薫製、タコザンギな どがある。 タコは太平洋戦争のとき特攻隊の興奮剤として使われていたという。これはタコに多 く含まれるタウリンという成分が強壮剤として使われていたのである。また寺では「タ コを食べると疫病から免れることができる」としている。 |
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10.メッセージ | |
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11.写真・図版 | |
![]() 引用:北の魚たち |
12.参考図書 | 上野達治:海の魚.北海道新聞社,
福田敏光:ミズダコの生態と産卵礁の効果について.(社)北海道栽培漁業 振興公社 |
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13.著者 | 筆者名 : 中尾博己 連絡先 : 根室支庁 根室北部地区水産技術普及指導所 01538-2-3738 電子メール : 執筆日 : 2000/01/24 |
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