1.名称 標津町とカナダとの交流
2.内容
●標津町とカナダとの交流
標津町とカナダ(ブリティシュ・コロンビア州「以下、B・C州」)とは、サケを通して始まった。標津サーモン科学館とキャピラノふ化場の姉妹館提携、標津の前浜(根室海峡)で行われているサーモンダービーは、カナダのサーモンダービーにヒントを得たものである。1990年に始まった標津町中学生海外派遣事業は、第4回目からカナダを訪問している。1998年には、カナダでサケ学習を行っている先生や生徒が訪れ、サケ学習シンポジュウムを開くなど、その交流は深い。自然環境、気候風土も似たところもあり、年々交流が盛んになってきた。


 @標津サーモン科学館とキャピラノふ化場との姉妹館提携

 標津サーモン科学館は、平成3年(1991)年9月15日にオープンした。オープンを記念して、9月16  日に「しべつサケシンポジュウム」を開催し、デイビィッド・グリッグス(カナダ漁業省サケ増殖委員 会委員長)とジョン・デイビス(太平洋サケ財団専務理事)を招へいした。

その後、カナダ側から相互交流の申し出があり、平成4年(1992)9月15日にキャピラノふ化場にお いて、姉妹館提携の調印式を行った。当時北海道大学助教授吉崎昌一氏、三ツ輪航空株式会社佐々木 武氏には仲人役としてお手伝いいただいた。

*キャピラノふ化場:B・C州バンクーバー市郊外の国立公園内にあるふ化場。SEPにより運営されている。キャピラノ川のダム計画で、ギンザケ、キングサーモンなどの自然産卵ができなくなることから、人工ふ化でサケの減少をくいとめようと1971年に造られた。サケのふ化放流のほか、サケを通して自然環境の保護を広く社会に啓蒙している。その活動は世界的に高い評価を受けている。風光明媚なキャピラノ峡谷にあるこのふ化場には、多くの観光客が訪れている。

*カナダ漁業省サケ増殖委員会(SEP):カナダにおける北太平洋のサケ科魚類資源の増殖およびサケの生息環境の保全等に関連するあらゆる計画の推進と指導にあたる最高機関である。また、この機関は、専門的な活動のみならず、一般の人々、地域、学校などに対する教育活動も重要な任務とされている。

*太平洋サケ財団:カナダ連邦政府やB・C州政府の支援を受けながら、次世代にサケを残すための健全な自然環境を残すために、川の浄化のための活動、サケ学習などを行っている様々な組織の活動を支援している非営利民間団体(NPO)


交流の記録

1978 原田経済部長、カナダ・キャピラノふ化場を訪問。以来、SEPから会報の送付が続く。
1988 国際サケ会議(於:札幌市)において旧交を暖める。

1989 標津町でのサーモンダービー開催にあたり、B・C州スポーツフィッシング協会の後援を受ける。

1991/9/15 サーモン科学館オープン

9/16 オープン記念「しべつサケシンポジュウム」開催

1992/8 サーモン科学館の職員2名、調印式の打ち合わせのため、カナダを訪問。

9/15 姉妹館提携調印式(キャピラノふ化場にて)。

出席者◎カナダ側(17名) 標津側(10名)
デイビィッド・グリッグス(カナダ漁業省サケ増殖委員会委員長)
サンダー・コックス ( 〃   主任研究員)
カムロン・ウエスト ( 〃フレーザー川北ブリティシュコロンビア地区担当主任)
ハンガー・フォースト (太平洋サケ財団委員長)
ジョン・デイビス (   〃  専務理事)
ジム・マレー ( 〃 理事)
他、漁業関係者
◎標津側(10名)
山口利昭        (標津町助役)
原田 昭        (標津サーモン科学館館長)
荒谷良治        (標津町議会議長)
笹木道雄        (標津町議会副議長)
吉崎昌一        (北海道大学教授)
他、青年研修参加者


提携 1
調印式の様子
標津側 山口助役
カナダ側
デイビィッド・グリッグス


●キャピラノふ化場と標津サーモン科学館の姉妹館提携で取り交わした文書

キャピラノふ化場と標津サーモン科学館との間における友好、協力、提携に関する声明

カナダ連邦政府サケ増殖委員会と日本国標津サーモン科学館は、永続的友好関係及び相互に有益な技術、文化交流を促進することを共に念願して、友好、協力、提携に関する声明を交わすことに正式に同意する。

この声明の目的は、キャピラノふ化場と標津サーモン科学館との間の姉妹提携を確認することにある。この提携のもとに、両施設は相互理解を発展させ、深め、共通の利益を推し進めるために、サケに関する技術的及び文化的情報の交換、及びサケに関する管理、生産、教育に携わる人々の交流を行う。

キャピラノふ化場は、カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市に位置し、カナダ連邦政府漁業海洋省のサケ増殖委員会により運営されている。1991年に開設20周年を祝ったこの施設は、ギンザケ、マスノスケを増殖すると共に、観光客にも人気の場所である。合わせて、バンクーバー地域のボランティア及び教育計画を援助している。また、敷地内ではブリティッシュ・コロンビア州でサケ増殖及び生息環境改善を支援している民間組織、太平洋サケ財団がギフトショップを運営している。

標津サーモン科学館は日本国北海道に位置し、標津サーモンパーク整備事業の一環として建設され、サケ科魚類の展示を通じてサケ文化の伝承、自然保護、資源保護意識の啓蒙、教育の場の提供及び観光分野への展開に対応する先進的な施設である。

太平洋を挟んで対岸に位置する両施設は共にサケ資源を保護し、その重要性を広く啓蒙することを目的としている。この提携がカナダと日本の人々との友好の絆を強め、かつ協力することを目的としている。この提携が、カナダと日本の人々との友好の絆を強め、かつ協力関係が漁業管理及び漁業開発計画に対し、相互に利益をもたらすものであることを私たちは確信する。

この証として、1992年9月15日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市においてこの声明に署名する。

カナダ側署名者
 デイビィッド・グリッグス(カナダ漁業省サケ増殖委員会委員長)
 カムロン・ウエスト ( 〃フレーザー川北ブリティシュコロンビア地区担当主任)

標津側署名者
 山口利昭        (標津町助役)
 原田 昭        (標津サーモン科学館館長)




姉妹館提携調印書



キャピラノふ化場にある銘板。姉妹館提携後、双方が交換し、同じ物が標津サーモン科学館にある。カナダは、英語とフランス語が公用語となっているので、日本語を含めて、三カ国で記されている。内容は下記のとおり。写真は、1993年に標津町中学生海外派遣事業でキャピラノふ化場を表敬訪問したもの。

1992年9月15日、キャピラノふ化場にて日本国北海道
標津町とカナダ連邦政府漁業海洋省の代表が、標津サ
ーモン科学館とキャピラノふ化場との姉妹館提携の同
意書に署名した。 これにより、相互に有益なる情報交換及び人的交流計画の進展に着手した。




キャピラノふ化場との姉妹館提携の際、
カナダ側に送った書(小梨 和書)。
キャピラノふ化場内の事務所に掲示されている。



キャピラノふ化場職員がサケの稚魚へ給餌


1993/2
  サーモン科学館で「キャピラノふ化場特別展」を開催

1993/8
   第4回標津町中学生海外派遣事業でカナダ訪問。以来、この事業は、カナダ訪問が続き、キャピラノふ化場は毎年表敬訪問している。

1994/4/21
   ロビン・ディクソン氏(キャピラノふ化場場長)、ロブ・ブラウワー氏(バンクーバー 島・ニチナットふ化場場長)が研修、交流のために標津町来町

3.写真・図版

4.参考図書
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