1.地名 ヲンネナイ
2.読み ヲンネナイ
3.解説
…過て(3丁四十間)トホロ〔十幌〕(川幅十餘間、遲流)名義は沼川と云、此川上に沼多き故に號る。両岸蘆原なり。

 川筋セヨ平(右平)、オンネニシウシ(右)、チエツフメム(左)、コヌシフベツ(右)、アンコンナイ(右)、コフラクウシ(左)。其源平地にて、諸方の茫地〔カ、谷地〕より落来る。桃花魚多しと。

 同じき處(二十五丁)チフルウ(コエトイベツ〔戀問川〕入口)川深くして遲流、水悪し、桃花魚多し。他の魚はなし。

 川筋ホロチフルー(小川)、マツクツベツ(小川)。源には茫地〔カ、谷地〕計にて山なし。是コイトイベツ〔戀問川〕と云也。
 此處内より外え百間計舟を曳越に宜し。内は蘆原、流は小石濱なり。ここをコイトイ(番や一棟、板蔵二)と云。名義、風波ある時、此處波越るの義。(十四丁二十間)チヤシコツ〔茶志骨〕(城跡、人家)有。濱つづき(二十丁五十間)ホニコエ(鱒番屋)び、是より右濱傳ひ、(八丁二十間)シベツ〔標津〕道なり(従是海岸は知床日誌に出)。追分(従コトイ〔戀問〕壹里、シベツ〔標津〕え八丁)、左に入る。山道(従是山道)雑木立、道よろし。爰をヲンネナイ(小川)と云。大澤の義。ホンルチシ(平山、少し坂有)、シトナウチハウシ(谷地)、共にシベツ〔標津〕川の南岸まで下る。

 龝もはや 日數へにけん しべつ河 せにつく鮭の 色さびにけり

 トエピラ(小休所、従シベツ〔標津〕二里十二丁抗有)名義、土平崩と云儀。此處シベツ〔標津〕川に崩落たる處なる故にく。従是は原道のみ也。左り處々谷地有。トボ(小川)上に谷地有、其より落る。ヲヲセフ川、是も谷地川也。此邊に到るや、夏秋とも蚊・虻多く、目も明け難き處なりと。チナナ(小川、晝休所、板蔵、トエ平より一里廿三丁)名義は昔し鮭を取て飯糧に乾置たる處なりと。チナナは乾鮭の事也。過てフシコタロマフ(小川)、アシリタロマツ(小川、小休所、従チナ一里十一丁)。此處坂の下にて數丈の崖の上に建、下は大なる淵也。是を眺めば計也。

4.地図 工事中
5.参考文献 新版 蝦夷日誌(上)東蝦夷日誌   松浦武四郎  時事通信社
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