1.地名 | 植別 |
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2.読み | ウエベツ、ウェンペッ |
3.解説 |
羅臼町、標津町の境の川の名。地名。 松浦氏初航蝦夷日誌は「ウェンベツ。此処より西部のシヤリ領ヲンネベツへ山越道有るよし也。氷雪道は一日にも越えらるるなれども、夏秋は中々一日には越えがたしと云り」と書いた。陸志別とともに東西への交通路だった。 同氏知床日誌は「ウエンヘツ。川有。昔し此処に人家有りしが、疫病流行して今の所に引移りしと。依て悪川の名有るか。今は人家なし」と書いた。また、永田地名解は「ウェン・ペッ。悪川。此川のほとりにアイヌ村ありしが、悪疫流行のとき今のウェンペッ村に転居せり。千島資料に旧地名解を引きて云ふ。此川にて蝦夷折々溺死する故に此名あり」と記した。 古い上原熊次郎地名考は「悪しき川と申す事。昔時此川において折節夷人溺死するゆへ字(名)になしてより其義なしといふ」と書いた。 諸地にウェンペッ、ウェンナイ(悪い・川)がむやみにあるが、ほとんどが、どうして悪いか分からないので、本書では、その聞き書きらしいものの残っている川を拾い集めた。この植別でも上原熊次郎(文政)の時には、人が溺れた、下って松浦武四郎(嘉永?)の時にはもう悪疫流行したからだ、と伝承が変わっているのだった。 上原氏の聞き書きの後段は興味がある。悪い川と呼んで、近寄らないようにあるいは注意して通るように、といった意味を含めた名であったか。もしかしたら魔除け的な意味もあったのかもしれない。とにかく全道的に、ウェン(悪い)のつく川がやたらあることに留意したい。 |
4.地図 | 工事中 |
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5.参考文献 | 「北海道の地名」山田秀三著 北海道新聞社刊 1984年 |
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