園内のみどころ

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国指定史跡伊茶仁カリカリウス遺跡

くぼみに雪が残る春先の竪穴群

国指定史跡伊茶仁カリカリウス遺跡は、古代の竪穴住居跡が埋まりきらずに、地表面からくぼみとして観察できることが特徴です。遺跡内には1つの遺跡としては国内最大の2,549か所におよぶ竪穴くぼみが確認されています。これまでの発掘調査により、この竪穴住居跡は、およそ一万年前からほぼ途切れることなく、ここに人が暮らし続けた結果残されたものであることがわかりました。この大規模竪穴群の存在は、長期にわたる人の暮らしを支えられるだけの、当地域の自然環境の豊かさを示しています。

国指定天然記念物標津湿原

国指定天然記念物標津湿原は、尾瀬ケ原の3分の1の広さを持つ湿原です。湿原遷移のクライマックスにある高層湿原と中間湿原を主体とし、毎年5月下旬から7月上旬にかけ、コケモモ、ヒメシャクナゲなどの湿原性の植物が花を咲かせます。特に北海道内でも限られた地域でしか自生していないエゾゴゼンタチバナの群落を観察できることが特徴です。

夏の標津湿原

わき水の泉

冬のわき水

伊茶仁カリカリウス遺跡にたくさんの竪穴が残された理由の一つに、わき水の存在があります。遺跡周辺では、知床連山の一つ武佐岳の麓から地下を伏流した水脈が地上に現れ、80か所以上のわき水の泉が確認されています。地熱の影響を受けたわき水は、真冬でも5℃程度の水温を保ち、決して凍ることがありません。泉の周辺で行った発掘調査では、縄文時代からアイヌの時代まで、様々な時代の出土品がみつかっており、これらの泉が遥か昔から、遺跡に暮らした人々の生活を支えてきたことがわかっています。

ミズナラの巨木

カリカリウス遺跡周辺には、ミズナラを主体とする広大な広葉樹林が残されています。この森は、明治から大正にかけての開拓期に一度伐採されており、多くが樹齢80年以内の樹木で構成されています。しかし中には伐採を免れ、大きく成長した木も残されています。その中でもとりわけ大きな木が、ミズナラの巨木です。樹齢500年以上と推定されるこのミズナラは、遺跡の時代に芽吹いた木で、いまも変わらずどんぐりの実を落としながら、森のうつり変わりを見守っています。

ミズナラの巨木

ヒカリゴケ

暗闇で光を反射するヒカリゴケ

カリカリウス遺跡に復元された竪穴住居の中に、ヒカリゴケが自生しています。ヒカリゴケは自ら光るのではなく、竪穴住居入口から差し込む外からの光を反射して、緑色の光を放っています。毎年5月中旬から10月上旬にかけて観察することができ、7月が最も見頃となっています。
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標津町 ポー川史跡自然公園TEL:0153-82-3674